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「事業開発へ転職したいが、職種としての経験がない」
「法人営業、金融、企画、海外業務の経験をどう評価してもらえばよいのか」
「事業開発で求められる実績を、現在の仕事でどう作ればよいのか」
事業開発は、新しい顧客、市場、商品、パートナー、収益源を作り、会社の成長につなげる仕事です。
英語ではBusiness Developmentと呼ばれ、求人票では「BizDev」と表記されることもあります。
主な業務は次のとおりです。
- 新規市場の調査
- 顧客課題の把握
- 新商品・サービスの企画
- 販売チャネルの開拓
- パートナー企業との提携
- 事業計画の作成
- 収益モデルの設計
- 社内承認
- 契約交渉
- 実証実験
- 新規顧客の獲得
- 事業開始後のKPI管理
- 海外市場への展開
- 新しい組織や拠点の立ち上げ
事業開発は、特定の資格や職種名がなければ応募できない仕事ではありません。
法人営業、金融、経営企画、マーケティング、コンサルティング、プロジェクト管理、海外業務などの経験を持つ人にも転職の可能性があります。
ただし、「企画を考えるのが好き」「新しいことをしたい」という志望理由だけでは評価されません。
企業が確認したいのは、次の点です。
- 顧客や市場の課題を発見できるか
- 事業機会を具体的な計画へ変えられるか
- 社内外の関係者を動かせるか
- 契約や条件交渉を進められるか
- 売上や利益につながる行動を実行できるか
- 不確実な状況でも前へ進められるか
- 計画と実績の差異を管理できるか
筆者は金融機関で法人取引、海外業務、プロジェクトファイナンス、新しい業務や拠点に関する企画などを経験し、その後、事業会社側で海外事業や事業開発に関わってきました。
金融機関では、顧客企業の課題を把握し、資金調達や外部機関との連携によって解決策を作ります。
事業会社の事業開発では、自社の商品、組織、予算、契約、パートナーを組み合わせ、継続的に売上を作れる仕組みへ育てます。
両者には共通点がありますが、事業会社では成果が売上、顧客数、契約、利用率、利益などへ直接表れます。
本記事では、事業開発の仕事内容、未経験者でも評価されるスキル、経歴別の強み、実績の作り方、職務経歴書と面接での伝え方、転職先の選び方を解説します。
金融機関から事業会社へ転職する際の基本的な考え方は、銀行員が事業会社へ転職する方法|評価される経験と必要な準備も参考にしてください。
結論|事業開発未経験でも「課題発見・交渉・実行」の経験があれば評価される
事業開発への転職で重要なのは、現在の肩書きが「事業開発」であることではありません。
これまでの仕事で、次の行動を経験しているかが重要です。
- 顧客や市場の課題を見つけた
- 新しい提案を作った
- 社内外の関係者を集めた
- 役割分担を決めた
- 条件を交渉した
- 社内承認を得た
- 契約やサービス開始まで進めた
- 成果を数字で管理した
- 問題が発生した際に修正した
- 継続的な仕組みへ変えた
たとえば、法人営業経験者であれば、単なる商品販売ではなく、顧客課題を起点に提案内容を作り、社内部門や外部企業と連携した経験が評価されます。
金融機関出身者であれば、財務分析だけでなく、経営者との対話、資金調達、提携先の紹介、海外進出支援、複数関係者の調整などを事業開発へつなげられます。どの経験を優先して示すかは、金融機関から事業開発・新規事業へ転職する際の職務差で確認し、顧客支援を自社事業の検証と実行へどう広げるかを整理してください。
経営企画経験者であれば、事業計画、投資審査、経営会議、予算管理の経験を活かせます。
海外業務経験者であれば、市場調査、現地パートナーとの交渉、本社との調整、拠点立ち上げなどが評価される可能性があります。
事業開発への転職準備では、次の順番で整理してください。
- 応募先の事業開発が何を担当するか確認する
- 自分の経験を事業開発の工程へ当てはめる
- 課題、行動、関係者、成果を案件ごとに整理する
- 売上や顧客につながった実績を数字で示す
- 現職で小さな事業開発実績を作る
- 応募企業の事業課題を仮説化する
- 入社後に担当できる業務を具体的に説明する
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事業開発とは
事業開発とは、新しい事業機会を見つけ、会社の売上や利益へつなげる活動です。
事業開発という名称から、企画書や事業計画を作る仕事を想像する人もいます。
しかし、実務では企画だけで終わりません。
- 顧客へ会いに行く
- パートナー候補へ連絡する
- 社内の営業・開発・法務・財務と調整する
- 契約条件を決める
- 実証実験を実施する
- 顧客からの反応を集める
- 価格や提供方法を修正する
- 売上や利用率を管理する
このような地道な実行も事業開発の重要な仕事です。
企業によって事業開発の意味は異なる
事業開発の担当範囲は企業ごとに異なります。
求人票では、次のような業務が事業開発として募集されます。
- 新規顧客開拓
- 新規市場開拓
- アライアンス
- 新規事業企画
- 海外事業開発
- プロダクト企画
- 営業企画
- 投資・M&A
- パートナーセールス
- 拠点立ち上げ
- 業界別ソリューション開発
- 既存事業の成長支援
応募前に、何を成果として求められる職種なのかを確認してください。
事業開発の主な仕事内容
市場調査
事業機会がある市場を調べます。
主な調査項目は次のとおりです。
- 市場規模
- 市場の成長性
- 顧客層
- 顧客課題
- 競合企業
- 既存の商品・サービス
- 規制
- 商習慣
- 販売チャネル
- 価格水準
- 参入障壁
- 自社の強み
市場調査は、インターネット上の情報をまとめるだけではありません。
顧客、業界関係者、パートナー候補へ直接ヒアリングし、公開情報では分からない課題を把握する必要があります。
顧客課題の発見
事業開発では、自社の商品を売り込む前に、顧客が抱える課題を理解します。
主な確認事項は次のとおりです。
- 現在どのような業務を行っているか
- どこに時間や費用がかかっているか
- どのような失敗や損失が発生しているか
- 既存の解決策に何が不足しているか
- 誰が意思決定するか
- 導入予算はどこから出るか
- 導入までにどの部門が関わるか
- 導入後に何を成果とするか
顧客が「欲しい」と言った機能をそのまま作るのではなく、背景にある業務課題を特定することが重要です。
事業モデルの設計
顧客課題に対して、どのような商品・サービスを、誰に、どのように提供するかを設計します。
- 顧客
- 提供価値
- 商品・サービス
- 販売方法
- 価格
- 契約形態
- 提供体制
- 必要な人員
- 必要なシステム
- パートナー
- 売上
- 費用
- 利益
事業として継続できる収益構造を作る必要があります。
事業計画の作成
事業計画では、売上、費用、人員、投資、スケジュールなどを具体化します。
主な内容は次のとおりです。
- 対象市場
- 顧客数
- 販売単価
- 売上計画
- 顧客獲得費用
- 人件費
- 開発費
- 販売費
- 損益分岐点
- 必要資金
- KPI
- 実行体制
- 主なリスク
- 撤退条件
金融、経営企画、コンサルティングの経験者は、事業計画の分析や作成で強みを活かせます。
パートナー開拓
自社だけで事業を進められない場合は、外部企業と連携します。
主なパートナーは次のとおりです。
- 販売代理店
- 技術会社
- システム会社
- 金融機関
- コンサルティング会社
- 業界団体
- 自治体
- 大学・研究機関
- 海外企業
- 物流会社
- 保守会社
- 顧客企業
事業開発担当者は、提携候補を探し、双方の利益を整理し、役割分担と条件を交渉します。
アライアンス
アライアンスは、複数の企業が協力して事業を行うことです。
主な検討事項は次のとおりです。
- 提携の目的
- 双方の役割
- 顧客の所有関係
- 営業活動
- 商品開発
- 費用負担
- 売上配分
- 知的財産
- 契約期間
- 独占性
- 解約条件
- 情報管理
提携を発表するだけでなく、営業や運用へ落とし込み、実際の成果を作る必要があります。
社内承認
新規事業や提携を開始するには、経営層や関係部門の承認が必要です。
- 経営層
- 営業
- マーケティング
- 商品開発
- エンジニア
- 財務
- 経理
- 法務
- 情報システム
- リスク管理
- 人事
各部門の懸念を整理し、必要な対応を行います。
経営層の意思決定を支える仕事に関心がある方は、経営企画への転職方法|金融機関出身者が評価される経験もご覧ください。
契約交渉
事業開発では、顧客やパートナーと契約条件を交渉します。
主な論点は次のとおりです。
- 提供する業務
- 価格
- 支払条件
- 契約期間
- 成果物
- 責任範囲
- 損害賠償
- 秘密保持
- 個人情報
- 知的財産
- 再委託
- 解約
- 独占性
法務担当者へ任せるだけでなく、事業上どの条件を譲れるか、どの条件を守る必要があるかを判断します。
実証実験・PoC
新しい商品や事業では、最初から大規模展開せず、小規模な実証実験を行う場合があります。
主な目的は次のとおりです。
- 顧客課題が本当に存在するか確認する
- 商品が課題を解決できるか確認する
- 顧客が対価を支払うか確認する
- 導入上の問題を把握する
- 必要な機能を確認する
- 運用体制を確認する
- 営業方法を検証する
PoCを実施すること自体ではなく、本契約や継続利用へつなげることが重要です。
KPI管理
事業開始後は、成果を数字で管理します。
主なKPIは次のとおりです。
- 商談数
- 提案件数
- 契約数
- 売上
- 顧客単価
- 継続率
- 解約率
- 利用率
- 商談化率
- 成約率
- パートナー数
- 案件創出数
- 粗利益
- 顧客獲得費用
- 投資回収期間
計画との差異を確認し、営業方法、価格、商品、対象顧客などを修正します。
事業開発と似ている職種との違い
法人営業との違い
法人営業は、顧客へ商品・サービスを提案し、契約を獲得します。
事業開発は、販売する商品、対象市場、パートナー、価格、提供方法そのものを作る場合があります。
ただし、企業によっては事業開発担当者が営業活動も担当します。
法人営業から事業開発へ転職する場合は、売上実績だけでなく、提案方法や仕組みを作った経験を示してください。
営業企画との違い
営業企画は、既存の営業組織が成果を上げるための施策を考えます。
- 営業戦略
- KPI
- 営業資料
- 販売促進
- 研修
- 営業プロセス
- 顧客管理
事業開発は、既存営業の改善だけでなく、新しい市場や商品、提携を作る点が異なります。
経営企画との違い
経営企画は、会社全体の経営計画、予算、投資、経営課題を扱います。
事業開発は、特定の事業機会を発見し、顧客や売上へつなげます。
経営企画が事業の方向性を決め、事業開発が具体的な市場開拓や提携を進める場合があります。
新規事業企画との違い
新規事業企画は、新しい事業の構想や計画を作る仕事です。
事業開発は、企画に加えて、顧客開拓、提携、契約、事業開始後の成長まで担当する傾向があります。
マーケティングとの違い
マーケティングは、市場や顧客を分析し、商品が選ばれる仕組みを作ります。
事業開発は、マーケティングの情報を使いながら、提携、営業、契約、事業運営まで進めます。
M&Aとの違い
M&Aは、企業や事業の買収・売却によって事業を拡大します。
事業開発は、業務提携、共同事業、新規顧客開拓など、買収以外の方法も使います。
未経験でも評価されるスキル
課題発見力
顧客や市場の状況を観察し、解決すべき課題を見つける力です。
評価される経験は次のとおりです。
- 顧客ヒアリング
- 業務分析
- 市場調査
- 競合分析
- 財務分析
- データ分析
- 現場観察
- 問い合わせや苦情の分析
課題を見つけた後、なぜ重要なのか、どの程度の影響があるのかを説明できる必要があります。
仮説構築力
情報が十分にそろっていない状況で、考えられる原因や解決策を仮説として整理します。
- 誰が顧客か
- どの課題が強いか
- 何に対して料金を支払うか
- どの販売方法が有効か
- どのパートナーが必要か
- どの条件が事業成立を左右するか
仮説は、顧客ヒアリングや実証実験によって検証します。
法人営業力
事業開発では、顧客へ価値を説明し、意思決定を促す必要があります。
- 顧客課題の把握
- 提案
- 商談設計
- 経営者への説明
- 価格交渉
- 契約交渉
- 継続的な関係構築
営業経験者は、売上だけでなく、新しい顧客層や提案方法を開拓した経験を示してください。
プロジェクト管理
事業開発では、明確な正解がない中で複数の業務を同時に進めます。
- 目的の設定
- タスク分解
- 担当者の決定
- 期限管理
- 課題管理
- 会議運営
- 意思決定
- 経営層への報告
- 計画変更
金融機関での大型融資、プロジェクトファイナンス、海外案件などの経験も活かせます。
関係者調整
事業開発は、一人だけでは進められません。
社内外の関係者が、それぞれ異なる目的や懸念を持っています。
重要なのは、全員を説得することではなく、論点と役割を整理し、必要な意思決定を進めることです。
事業計画・財務分析
事業開発では、アイデアを数字へ変える必要があります。
- 顧客数
- 単価
- 売上
- 費用
- 利益
- 投資額
- 必要人員
- 損益分岐点
- キャッシュフロー
- 投資回収期間
金融機関出身者や経営企画経験者は、この領域で強みを活かせます。
交渉力
顧客、パートナー、社内部門と条件を調整します。
事業開発で必要なのは、自分の要求を押し通す力ではありません。
双方の目的を理解し、合意可能な条件を設計する力です。
実行力
事業開発では、完全な情報がそろうまで待てない場合があります。
- 顧客へ連絡する
- 仮の提案を作る
- 小規模に試す
- 結果を確認する
- 修正する
- 次の行動を決める
小さく始め、学びながら改善する姿勢が重要です。
学習力
新しい業界、商品、規制、技術を短期間で理解する必要があります。
過去に未経験分野を学び、仕事で成果を出した経験は評価されます。
経歴別に評価される経験
法人営業経験者
評価される経験
- 新規顧客開拓
- 経営者への提案
- 顧客課題の把握
- 大型案件の受注
- 複数部門への提案
- 新しい販売方法の構築
- 継続契約
- パートナーとの協業
事業開発向けの伝え方
単に「売上目標を達成した」と伝えるだけでなく、次の内容を整理します。
- どの顧客課題を発見したか
- どのような提案を作ったか
- 社内の誰を巻き込んだか
- 既存商品をどう組み合わせたか
- どのような交渉をしたか
- どの成果を生み出したか
- 他の顧客へ展開できたか
金融機関出身者
評価される経験
- 経営者との対話
- 財務分析
- 事業計画の検証
- 資金調達
- 法人提案
- 提携先の紹介
- 海外進出支援
- 事業承継支援
- 社内審査
- 多数の関係者との調整
事業開発向けの伝え方
融資を実行した事実だけでなく、顧客の事業課題をどのように把握し、金融以外の解決策を含めて提案したかを示します。
金融機関で培った審査・与信経験の活かし方は、審査・与信経験を転職市場で武器にする方法|評価されるスキルを解説も参考にしてください。
経営企画経験者
評価される経験
- 事業計画
- 投資審査
- 予算管理
- 経営会議
- 新規事業
- 子会社管理
- 組織横断プロジェクト
- 経営層への説明
補うべき経験
計画や分析だけでなく、顧客、売上、契約へつなげた経験を示す必要があります。
コンサルティング経験者
評価される経験
- 市場調査
- 課題分析
- 戦略策定
- 経営層への提案
- プロジェクト管理
- 業務改善
- 新規事業支援
補うべき経験
提案を作っただけでなく、実行、顧客獲得、契約、売上まで関わった経験を整理してください。
マーケティング経験者
評価される経験
- 顧客分析
- 市場分析
- リード獲得
- 商品企画
- 販売促進
- データ分析
- 顧客獲得単価の管理
- チャネル開拓
補うべき経験
営業、契約、パートナー交渉、事業収支などの経験を補うと、事業開発へ移りやすくなります。
プロジェクトファイナンス経験者
評価される経験
- 事業計画
- 財務モデル
- 契約構造
- リスク分析
- 資金調達
- 大型案件
- 海外案件
- 関係者調整
候補となる事業開発
- インフラ事業開発
- 再生可能エネルギー開発
- 海外事業開発
- 投資企画
- 官民連携事業
- 大型プロジェクト
- パートナーシップ
インフラ投資や事業投資へ関心がある方は、インフラ投資・事業投資の転職市場|求められる経験とキャリアパスもご覧ください。
海外業務経験者
評価される経験
- 海外市場調査
- 海外企業との交渉
- 現地パートナー開拓
- 海外拠点の立ち上げ
- 現地人材の管理
- 本社と現地の調整
- 英文契約
- 異文化環境での意思決定
海外事業開発では、英語力だけでなく、不確実な環境で実務を進めた経験が評価されます。
海外駐在中に得た事業推進や異文化マネジメントの経験を、帰国後の転職で伝える方法は、海外駐在経験を転職で活かす方法|帰国後のキャリアと職務経歴書で詳しく解説しています。
未経験から事業開発の実績を作る方法
事業開発へ転職したい場合、現職で職種名が変わるのを待つ必要はありません。
現在の業務の中で、事業開発に近い実績を作れます。
1.顧客課題を整理する
担当顧客や社内部門へヒアリングし、繰り返し発生している課題を整理します。
- 頻度
- 影響
- 現在の対応方法
- 費用
- 作業時間
- 既存の解決策
- 解決されていない理由
単なる要望ではなく、事業機会として成立する課題かを考えます。
2.小さな改善提案を行う
最初から新規事業を立ち上げる必要はありません。
- 新しい提案資料を作る
- 顧客向けの説明会を企画する
- 他部門の商品を組み合わせる
- 外部企業との共同提案を行う
- 新しい顧客層へ試験的に提案する
- 業務フローを改善する
- 新しい販売チャネルを試す
小さな提案でも、課題発見から実行まで経験できます。
3.社内横断プロジェクトへ参加する
次のようなプロジェクトは、事業開発に近い経験になります。
- 新商品
- DX
- 新規顧客開拓
- 海外進出
- 業務提携
- 新システム
- 拠点立ち上げ
- 営業改革
- 顧客満足度向上
- 収益改善
自分の担当範囲だけでなく、プロジェクト全体の目的と成果を理解してください。
4.パートナー候補を探す
自社だけでは解決できない課題について、協力できる企業を探します。
- 何を補完してもらうか
- 相手企業にどのような利益があるか
- どの顧客へ提案するか
- どのように収益を分けるか
- 誰が営業・運用を担当するか
上司や関係部門へ、具体的な提携案として提案します。
5.顧客ヒアリングを増やす
事業開発では、社内で考えるだけでなく、顧客の反応を確認する必要があります。
ヒアリングでは、次の内容を確認します。
- 現在の業務
- 困っていること
- 課題の優先順位
- 現在の費用
- 意思決定者
- 導入条件
- 支払意思
- 必要な機能
- 導入上の障害
6.数字で成果を管理する
実績として伝えるためには、数字を残します。
- ヒアリング件数
- 提案件数
- パートナー候補数
- 商談数
- 契約数
- 売上
- 削減時間
- 削減費用
- 利用者数
- 継続率
- 対象市場
- プロジェクト期間
成果が出なかった場合も、何を検証し、何を学び、どう修正したかを整理します。
7.事業開発の工程を一つずつ経験する
すべてを一度に経験する必要はありません。
- 市場調査
- 顧客ヒアリング
- 提案
- パートナー開拓
- 事業計画
- 社内承認
- 契約
- KPI管理
現在の仕事で経験できる工程から増やしてください。
事業開発への転職準備
1.希望する事業開発の種類を決める
事業開発には複数の種類があります。
- 法人向け新規営業型
- アライアンス型
- 新規事業型
- 海外事業型
- プロダクト型
- 投資・M&A型
- インフラ開発型
- 拠点立ち上げ型
- 既存事業の成長型
自分の経験に近い領域を選んでください。
2.応募企業の事業モデルを理解する
次の内容を調べます。
- 顧客
- 商品・サービス
- 価格
- 販売方法
- 売上構造
- 費用構造
- 競合
- 成長分野
- 提携企業
- 海外展開
- 経営課題
3.事業開発の成果指標を確認する
求人票や面接で、何を成果として求められるか確認します。
- 売上
- 契約数
- 商談数
- パートナー数
- 新規市場への参入
- PoC
- 新規事業の立ち上げ
- 利用者数
- 投資実行
- 海外拠点の設立
4.経験を事業開発の工程へ変換する
- 法人営業:顧客課題の発見・提案・契約
- 融資審査:事業性評価・リスク分析
- 経営企画:事業計画・社内承認
- マーケティング:市場分析・顧客獲得
- コンサルティング:課題分析・実行支援
- 海外業務:市場開拓・パートナー交渉
- プロジェクト管理:関係者調整・実行管理
- 財務:収益計画・資金調達
5.案件実績を整理する
案件ごとに次の内容を整理してください。
- 背景
- 顧客や市場の課題
- 自分の役割
- 仮説
- 提案内容
- 関係者
- 交渉内容
- 実行したこと
- 成果
- 数字
- 学んだこと
- 他の案件への展開
6.応募企業への提案仮説を作る
公開情報を基に、応募企業の事業開発テーマを考えます。
- 既存顧客へ別商品を販売する
- 新しい業界へ展開する
- パートナー販売を強化する
- 海外市場へ進出する
- 新しい価格体系を作る
- 顧客の利用率を高める
- 既存事業と新技術を組み合わせる
断定せず、仮説として面接で確認してください。
7.複数の転職経路を使う
事業開発の求人は、企業の成長戦略に直結するため、非公開で募集される場合があります。
- ハイクラス転職サービス
- 事業会社に強い転職エージェント
- スタートアップに強い転職エージェント
- 金融専門エージェント
- スカウト型サービス
- 企業への直接応募
- 元取引先や業界関係者からの紹介
転職エージェントを使う場合は、サービス名だけでなく、企業フェーズ、採用背景、入社後の権限まで確認できるかを比べます。事業開発のスタートアップ求人に合うエージェントの選び方を整理しておくと、専門性を深掘りする相談先と、求人の幅を広げる相談先を分けやすくなります。
職務経歴書の書き方
事業開発向けの職務経歴書では、担当業務の一覧だけでは不十分です。
次の順番で実績を書きます。
- 課題
- 自分の役割
- 行動
- 関係者
- 成果
- 再現できる能力
法人営業経験者の記載例
法人顧客に対する新規開拓および提案営業を担当。経営者や現場責任者へのヒアリングを通じて、業務効率と人材不足に関する課題を特定した。社内の商品部門、システム部門と連携して複数サービスを組み合わせた提案を作成し、導入条件と運用体制を調整した。初回契約後は他拠点への展開を支援し、継続的な取引拡大につなげた。
金融機関出身者の記載例
法人顧客の財務分析、資金調達提案、経営課題の整理を担当。顧客との対話から、資金面だけでなく販路開拓や海外展開に関する課題を把握し、外部機関や提携先との連携を提案した。社内審査部門、外部専門家、海外金融機関などの関係者を調整し、必要な支援体制を構築した。
法人融資経験の職務経歴書への書き方は、法人融資経験を職務経歴書で伝える方法|実績の書き方と例文も参考にしてください。
経営企画経験者の記載例
新規事業の事業計画策定と社内承認を担当。市場規模、顧客課題、競合、収益モデルを分析し、営業、商品開発、財務、法務部門と実行計画を策定した。経営会議での承認後は、顧客ヒアリング、実証実験、KPI管理を行い、サービス内容と価格を改善した。
海外業務経験者の記載例
海外市場における新規事業開発を担当。市場調査、顧客ヒアリング、現地パートナー候補の選定、契約条件の交渉、本社承認、事業開始後の進捗管理を行った。現地企業と本社関係部門の役割を整理し、異なる商習慣や意思決定プロセスを調整しながら事業立ち上げを推進した。
自己PRの例文
私の強みは、顧客や市場の課題を構造的に整理し、社内外の関係者を巻き込みながら実行へつなげる力です。
これまで、法人顧客との対話を通じて、財務面だけでなく、販売、事業運営、海外展開などの課題を把握してきました。
課題に対しては、既存の商品を提案するだけでなく、社内部門、外部専門家、提携先などの役割を整理し、実行可能な支援方法を設計しました。
また、重要案件では、事業計画、主要リスク、契約条件、必要な社内承認を整理し、多数の関係者と調整しながら案件を前へ進めてきました。
これらの経験を、貴社における顧客課題の発見、パートナー開拓、事業計画、社内承認、契約交渉、事業開始後のKPI管理に活かしたいと考えています。
面接で聞かれやすい質問
なぜ事業開発へ転職したいのですか
現職への不満ではなく、事業開発で実現したいことを説明します。
回答例
これまで法人顧客への提案やプロジェクトを通じて、顧客課題の把握、社内外の関係者との調整、案件実行を経験してきました。その中で、既存の商品や仕組みを提案するだけでなく、顧客課題を起点に新しいサービスや提携の形を作り、継続的な事業へ育てる仕事に関わりたいと考えるようになりました。これまでの課題分析、法人交渉、事業計画、関係者調整の経験を、貴社の事業開発に活かしたいと考えています。
事業開発の経験がないのではありませんか
職種名ではなく、共通する経験を説明します。
回答例
事業開発という職種名での勤務経験はありませんが、顧客課題の把握、新しい提案の作成、社内部門との調整、外部企業との連携、社内承認、案件実行まで担当してきました。特に、既存の方法では対応できない課題に対し、複数の関係者と役割を整理して解決策を作った経験は、事業開発でも活かせると考えています。
新しい事業機会をどのように見つけますか
回答例
最初に、既存顧客へのヒアリングや営業記録、問い合わせ内容などから、繰り返し発生している課題を探します。次に、その課題を持つ顧客がどの程度存在するか、現在どのように対応しているか、対価を支払う可能性があるかを確認します。その上で、小規模な提案や実証実験を行い、顧客の反応を基に事業機会を検証します。
事業開発で最も重要な能力は何ですか
回答例
不確実な状況でも、課題を分解し、次に確認すべきことと行動を決める力だと考えています。事業開発では、最初から正解が分からないため、顧客へのヒアリング、仮説の検証、関係者との調整を繰り返しながら、事業の成立条件を明確にする必要があると考えています。
関係者の意見が対立した場合はどうしますか
回答例
最初に、それぞれの立場が重視している目的と懸念を整理します。営業は顧客との契約、開発は実現可能性、法務はリスク、財務は採算を重視するため、対立しているように見えても判断基準が異なる場合があります。共通の目的、譲れない条件、調整可能な条件を明確にし、複数の選択肢を提示して意思決定を進めます。
失敗した事業や提案から何を学びましたか
失敗を隠さず、仮説、結果、原因、修正内容を説明します。
回答例
当初は顧客の関心が高いことから需要があると判断しましたが、実際には導入部門と予算決裁部門が異なり、契約へつながりませんでした。その経験から、利用者の課題だけでなく、意思決定者、予算、導入手続きまで確認する必要があると学びました。その後は、初期ヒアリングの段階で意思決定構造を確認し、提案内容と導入計画を修正しました。
当社でどのような事業開発ができると考えますか
次の流れで答えます。
- 公開情報から確認できる事実
- 想定される顧客課題
- 事業機会の仮説
- 確認したい情報
- 自分が活かせる経験
公開情報だけで断定せず、仮説として説明してください。
事業開発への転職で失敗する原因
アイデアだけを強調する
事業開発では、アイデアの数より、実行して検証した経験が重要です。
企画書作成を事業開発だと考える
資料作成は一部にすぎません。
顧客、契約、社内承認、運用、売上まで進める必要があります。
数字を説明できない
市場規模や売上計画だけでなく、自分の実績も数字で説明してください。
顧客と話した経験がない
事業開発では、顧客の課題や支払意思を直接確認する必要があります。
関係者を巻き込んだ経験が弱い
一人で作業した経験だけでは、事業開発で必要な調整力が伝わりません。
失敗経験を隠す
新しい事業では、仮説が外れることがあります。
重要なのは、結果を確認し、原因を分析し、次の行動へつなげたことです。
「成長業界だから」だけを志望理由にする
業界の成長性だけでなく、自分の経験をどの業務へ活かせるか説明してください。
事業開発という肩書きだけで転職先を選ぶ
実際の業務が新規営業だけの場合もあれば、社内企画だけの場合もあります。
求人内容と成果指標を確認してください。
転職先を比較する8つの基準
- 新規顧客開拓と企画業務の比率
- 市場調査から事業開始までの担当範囲
- パートナー開拓を担当できるか
- 契約交渉や社内承認へ関われるか
- 事業開始後のKPI管理を担当できるか
- 国内事業と海外事業の比率
- 経営層との距離と意思決定速度
- 3年後に得られる専門性
企業名や肩書きだけでなく、実際に担当できる工程を比較してください。
事業開発のキャリアパス
事業開発の専門家になる
複数の市場や事業で、顧客開拓、提携、事業立ち上げの経験を積みます。
事業責任者へ進む
売上、利益、組織、商品など、特定事業全体の責任を持ちます。
新規事業責任者へ進む
事業アイデアの検証から組織の立ち上げ、売上拡大まで担当します。
海外事業責任者へ進む
海外市場の開拓、現地拠点、パートナー、事業収支を管理します。
経営企画へ進む
個別事業の経験を活かし、全社戦略、投資、事業ポートフォリオを担当します。
投資・M&Aへ進む
事業分析、交渉、事業管理の経験を活かし、事業投資やM&Aへ進む道があります。金融機関の法人営業から進む場合は、M&A・事業投資へ転職するための案件経験の言い換え方を参照し、案件候補の紹介や融資提案だけでなく、投資判断に与えた影響を示してください。
起業する
顧客課題、事業モデル、営業、資金調達、組織づくりの経験を活かし、独立する選択肢もあります。
年代別の転職戦略
20代
営業、分析、プロジェクト管理などの基礎能力と、未経験分野への適応力が評価されます。
小さくても、自ら提案し実行した経験を整理してください。
30代
即戦力として、顧客開拓、提携、事業計画、契約、プロジェクト推進などの実績が重視されます。
自分が担当した工程と成果を具体的に示してください。
40代
個人の実行力に加え、事業判断、組織管理、経営層への説明、メンバー育成などが求められます。
管理職の転職については、管理職の転職は難しい?30代・40代が失敗しない進め方も参考にしてください。
事業開発への転職に関するよくある質問
未経験でも事業開発へ転職できますか
可能性はあります。
法人営業、経営企画、金融、コンサルティング、マーケティング、海外業務などの経験を、事業開発の工程へ当てはめて説明してください。
営業経験は必須ですか
すべての求人で必須ではありません。
ただし、顧客課題の把握、提案、交渉、契約などの経験は評価されやすい傾向があります。
金融機関出身者は事業開発へ転職できますか
法人取引、経営者との対話、事業計画、資金調達、提携、海外業務などの経験を活かせる可能性があります。
融資の実績だけでなく、顧客課題の解決や関係者調整の経験を示してください。
英語力は必要ですか
国内事業では必須でない場合もあります。
海外事業、外資系企業、海外企業との提携では必要になる可能性があります。
MBAは必要ですか
必須ではありません。
事業計画や経営戦略の知識は役立ちますが、顧客と向き合い、実行して成果を出した経験が重要です。
事業開発と新規営業は同じですか
企業によって異なります。
新規営業を中心とする場合もありますが、事業開発では市場調査、提携、商品企画、事業計画などを含む場合があります。
スタートアップでなければ事業開発はできませんか
大企業、中堅企業、金融機関、インフラ企業などにも事業開発部門があります。
企業規模によって、意思決定速度、担当範囲、利用できる経営資源が異なります。
事業開発の年収は高いですか
企業、業界、役職、専門性、成果責任によって異なります。
基本給、賞与、インセンティブ、株式報酬、福利厚生を含めて比較してください。
事業開発は激務ですか
立ち上げ時期、案件数、チーム人数、経営層からの期待によって業務量が増える可能性があります。
担当範囲、目標、予算、人員、意思決定体制を確認してください。
まとめ|職種名ではなく、事業を前へ進めた経験を示す
事業開発の主な業務は次のとおりです。
- 市場調査
- 顧客課題の発見
- 事業モデルの設計
- 事業計画
- パートナー開拓
- アライアンス
- 社内承認
- 契約交渉
- 実証実験
- 顧客獲得
- KPI管理
- 海外展開
未経験者でも、次の経験があれば評価される可能性があります。
- 法人営業
- 財務分析
- 事業計画
- 経営者との対話
- 新しい提案
- パートナーとの交渉
- 社内横断プロジェクト
- 契約交渉
- 海外業務
- プロジェクト管理
- 新しい業務や拠点の立ち上げ
転職準備では、次の内容を整理してください。
- 希望する事業開発の種類を決める
- 応募企業の事業モデルを理解する
- 自分の経験を事業開発の工程へ変換する
- 課題、行動、関係者、成果を整理する
- 現職で小さな事業開発実績を作る
- 成果を数字で示す
- 応募企業で実行できる事業開発を仮説化する
事業開発で評価されるのは、優れたアイデアを持つ人だけではありません。
顧客や市場の課題を見つけ、必要な関係者を集め、事業計画と契約を整え、実際の顧客や売上へつなげられる人材です。
現在の職種名にとらわれず、これまでに新しい提案を作り、関係者を動かし、実行した経験を棚卸ししてください。
その経験を、事業開発の課題発見、事業設計、交渉、社内承認、実行、改善へつなげて説明することが、未経験から転職するための重要な準備になります。
