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「金融機関での融資やプロジェクトファイナンス経験を、再生可能エネルギー業界で活かせるのか」
「再エネ事業会社では、金融以外にどのような業務を担当するのか」
「未経験から事業開発や投資審査へ転職するには、何を準備すべきか」
再生可能エネルギー業界では、太陽光、陸上風力、洋上風力、蓄電池、バイオマス、水力などの事業を開発・建設・運営するために、幅広い専門人材が必要です。
技術者だけでなく、次のような経験を持つ人材にも転職の可能性があります。
- 法人融資
- プロジェクトファイナンス
- 財務分析
- 投資審査
- M&A
- 事業開発
- 海外事業
- 契約交渉
- プロジェクト管理
- 自治体や関係者との調整
- 経営企画
- 資金調達
特に、金融機関でインフラ・エネルギー案件を経験した人は、事業会社側で資金調達、投資審査、事業開発、アセットマネジメントなどへ移れる可能性があります。
ただし、金融機関と再生可能エネルギー事業会社では、業務の目的が異なります。
金融機関は、融資した資金を回収できるかを確認します。
事業会社は、案件を発掘し、土地、許認可、系統、契約、資金調達、建設、運営などの条件を整え、長期的に収益を生み出します。
そのため、金融知識だけではなく、事業を前へ進める姿勢と業界固有の知識が必要です。
筆者は金融機関で法人取引、海外業務、プロジェクトファイナンスなどを経験し、その後、事業会社側で海外インフラや再生可能エネルギーに関わる業務を経験してきました。
金融機関側では案件のリスクと返済可能性を確認し、事業会社側では、案件を成立させるために何を整える必要があるかを考えます。
同じ案件でも、立場が変わると求められる視点は大きく異なります。
本記事では、再生可能エネルギー業界の主な転職先、金融・事業開発経験の活かし方、職種ごとの仕事内容、必要な準備、職務経歴書と面接での伝え方を解説します。
プロジェクトファイナンス経験者の転職先を比較したい方は、プロジェクトファイナンス経験者の転職先|金融・商社・インフラを比較もご覧ください。
結論|再生可能エネルギー業界への転職では「金融を理解する人」から「事業を進められる人」へ広げる
再生可能エネルギー業界への転職で評価されるのは、金融知識そのものだけではありません。
企業が求めているのは、金融、契約、技術、許認可、土地、地域対応などの論点を整理し、案件を実現できる人材です。
金融経験者であれば、次のように経験を変換できます。
- 法人融資:資金調達・金融機関対応
- プロジェクトファイナンス:事業性評価・契約構造・リスク分析
- 融資審査:投資審査・事業計画の検証
- 財務分析:収益性分析・キャッシュフローモデル
- 与信管理:投資後モニタリング・アセットマネジメント
- 法人営業:スポンサー・パートナーとの交渉
- 海外業務:海外案件の開発・現地パートナー管理
- 本部企画:事業戦略・ポートフォリオ管理
- 管理職経験:開発組織・投資組織のマネジメント
一方、事業開発経験者は、次のような能力を活かせます。
- 新規案件の発掘
- 関係者との交渉
- 事業計画の作成
- 社内承認
- パートナー企業との連携
- 契約締結
- プロジェクト管理
- 新しい業務や拠点の立ち上げ
再生可能エネルギー業界へ転職する際は、次の順番で準備してください。
- どの電源・事業分野へ進むか決める
- 開発・投資・資金調達・運営のどこを担当したいか決める
- 自分の経験を再エネ事業の工程へ当てはめる
- 不足する業界知識を補う
- 担当案件と自分の役割を整理する
- 事業会社向けの職務経歴書を作る
- 金融以外の論点にも対応できることを面接で示す
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再生可能エネルギー業界の主な事業分野
太陽光発電
太陽光発電は、屋根設置型、地上設置型、自家消費型、蓄電池併設型などに分かれます。
主な業務
- 開発候補地の調査
- 土地権利の確保
- 系統接続の検討
- 許認可
- 発電量予測
- 事業計画
- 建設会社の選定
- 資金調達
- 建設管理
- 運営保守
- 発電所の売買
案件ごとの規模や開発期間に幅があり、事業開発、資金調達、アセットマネジメントなど多様な職種があります。
陸上風力発電
陸上風力では、風況、土地、道路、環境影響、地域との合意形成などが重要です。
主な論点
- 風況調査
- 立地選定
- 環境影響評価
- 地域住民との調整
- 自治体との協議
- 系統接続
- 輸送経路
- 建設
- 運転保守
太陽光より開発期間が長く、地域対応や許認可の比重が高くなる場合があります。
洋上風力発電
洋上風力は、案件規模が大きく、多数の企業、金融機関、政府機関が関わります。
主な業務
- 海域調査
- 風況・海底調査
- 公募対応
- 地域・漁業関係者との調整
- 事業パートナーの選定
- 風車・基礎・海底ケーブルの調達
- 建設契約
- 資金調達
- 長期運営
- 電力販売
大型プロジェクトの推進、プロジェクトファイナンス、契約交渉、コンソーシアム管理などの経験が活かされやすい分野です。
蓄電池
蓄電池は、再生可能エネルギーの変動を調整し、電力市場や系統運用を支える役割があります。
主な業務
- 設置場所の選定
- 系統接続
- 収益モデルの設計
- 市場取引
- アグリゲーション
- 設備調達
- 資金調達
- 運用最適化
- 保守管理
蓄電池事業では、従来の固定価格型事業と異なり、複数の収益源や市場価格を分析する能力が重要になります。
バイオマス発電
バイオマス発電では、燃料調達と長期的な供給安定性が重要です。
主な論点
- 燃料の種類
- 調達先
- 輸送
- 保管
- 価格変動
- 持続可能性
- 為替
- 発電設備
- 環境対応
燃料供給契約やサプライチェーンの理解が求められます。
水力発電
水力発電には、大規模水力、中小水力、既存設備の更新などがあります。
主な論点
- 水利権
- 地域・河川関係者との調整
- 発電量
- 設備更新
- 建設期間
- 環境対応
- 長期運営
長期的で安定した事業である一方、許認可や地域調整が重要です。
再生可能エネルギー業界の主な転職先
1.再生可能エネルギー専業事業会社
再生可能エネルギー案件の開発、建設、運営を主力事業とする企業です。
主な職種
- 事業開発
- プロジェクト開発
- 投資審査
- 資金調達
- プロジェクトファイナンス
- 建設管理
- 契約管理
- アセットマネジメント
- 電力取引
- 経営企画
- 海外事業
向いている人
- 再生可能エネルギーに専門特化したい
- 開発から運営まで経験したい
- 案件の意思決定に深く関わりたい
- 成長分野で役割を広げたい
注意点
企業によって、開発中心、保有運営中心、案件売却中心など事業モデルが異なります。
応募前に、どの段階で収益を得る会社なのかを確認してください。
2.電力・ガス会社
既存のエネルギー企業も、国内外で再生可能エネルギー事業を展開しています。
主な職種
- 新規事業開発
- 投資審査
- 海外事業
- 資金調達
- 電力取引
- プロジェクト管理
- 発電所運営
- 脱炭素戦略
- M&A
メリット
- 大規模案件へ関われる可能性がある
- 長期的な事業運営を経験できる
- 既存の顧客基盤や技術基盤を活用できる
- エネルギー事業全体を学べる
注意点
組織規模が大きく、担当業務が細分化されている場合があります。
担当できる工程と意思決定範囲を確認してください。
3.総合商社・事業投資会社
総合商社や事業投資会社では、国内外の発電・インフラ事業へ出資します。
主な業務
- 案件発掘
- 入札
- パートナー選定
- 投資採算分析
- 契約交渉
- 資金調達
- 社内投資審査
- 投資先管理
- 売却
金融経験者にとっては、財務分析、プロジェクトファイナンス、海外案件、関係者調整の経験を活かしやすい転職先です。
一方で、融資側ではなく株主として、投資収益と事業成長に責任を持つ必要があります。
4.インフラファンド・投資ファンド
再生可能エネルギーやインフラ資産へ投資するファンドです。
主な業務
- 投資案件の発掘
- 財務モデル
- 投資採算分析
- デューデリジェンス
- 投資委員会資料
- 契約交渉
- 資金調達
- 投資後管理
- 売却
向いている人
- 財務モデルに強い
- 投資判断を専門にしたい
- 複数案件を比較したい
- 投資後の収益管理に関わりたい
注意点
融資の安全性だけでなく、投資収益率、配当、売却価値などの理解が必要です。
5.金融機関
銀行、信託銀行、政府系金融機関などで、再生可能エネルギー案件の融資を担当する道もあります。
主な業務
- 案件組成
- プロジェクトファイナンス
- 融資審査
- 契約交渉
- 協調融資
- 融資実行
- モニタリング
- ESG・サステナブルファイナンス
金融専門性を深めながら、再生可能エネルギー分野に特化できます。
6.建設会社・EPC事業者
設計、調達、建設を担う会社です。
主な業務
- 建設契約
- プロジェクト管理
- 原価管理
- 工程管理
- 調達
- 品質管理
- 事業開発
- コンソーシアム組成
- 資金調達支援
金融機関の視点を理解し、融資可能な契約や事業計画を作れる人材が評価される可能性があります。
7.メーカー・技術会社
風車、太陽光パネル、蓄電池、パワーコンディショナーなどの設備メーカーです。
主な職種
- 法人営業
- 事業開発
- プロジェクト管理
- ファイナンス
- 海外事業
- アライアンス
- 市場開拓
設備技術への理解を補いながら、法人営業や海外業務の経験を活かせます。
8.コンサルティング・FAS
再生可能エネルギー事業者、金融機関、投資家などを支援します。
主な業務
- 市場調査
- 事業戦略
- 財務モデル
- 資金調達支援
- デューデリジェンス
- M&A
- 脱炭素戦略
- 入札支援
- 政策調査
複数案件に関わりながら、分析・提案の専門性を高められます。
金融経験を活かせる職種
資金調達・プロジェクトファイナンス
金融経験を最も直接的に活かしやすい職種です。
主な業務
- 資金調達方針の策定
- 金融機関との交渉
- 融資条件の比較
- 財務モデルの確認
- 融資契約
- 担保・保証
- 社内調整
- 融資実行
- 借換え
- 実行後の金融機関対応
評価される経験
- 法人融資
- プロジェクトファイナンス
- シンジケートローン
- 融資審査
- 契約交渉
- キャッシュフロー分析
- 金融機関との関係構築
金融機関が重視する論点を理解している人材は、事業会社側の資金調達で価値があります。
投資審査
案件に投資してよいかを判断する職種です。
主な業務
- 事業計画の検証
- 財務モデルの分析
- 投資採算の確認
- リスク分析
- 感応度分析
- 投資委員会資料
- 契約条件の確認
- 投資後のモニタリング
融資審査経験者は、財務分析とリスク判断を活かせます。
ただし、融資の返済可能性だけでなく、株主リターン、事業成長、売却価値も評価する必要があります。
審査経験の伝え方は、審査・与信経験を転職市場で武器にする方法|評価されるスキルを解説で詳しく解説しています。
経営企画・事業管理
複数の再生可能エネルギー案件や事業部門を管理する職種です。
主な業務
- 事業計画
- 予算管理
- 業績分析
- 投資案件の管理
- 経営会議資料
- ポートフォリオ管理
- グループ会社管理
- 経営課題の整理
財務分析、本部企画、経営者への説明経験を活かせます。
M&A・事業投資
稼働中または開発中の発電所、事業会社、プロジェクト会社などを取得・売却します。
主な業務
- 案件発掘
- 企業価値評価
- 財務・法務・技術デューデリジェンス
- 契約交渉
- 資金調達
- 社内投資審査
- 買収後の管理
- 売却
法人融資、投資審査、プロジェクトファイナンスの経験を活かせる可能性があります。
アセットマネジメント
稼働中の発電所や投資資産を管理し、収益とリスクを継続的に確認します。
主な業務
- 発電実績の確認
- 予算管理
- キャッシュフロー管理
- 契約管理
- 金融機関対応
- 配当管理
- トラブル対応
- 改修・修繕
- 投資家への報告
融資後のモニタリング、与信管理、事業管理の経験を活かせます。
事業開発経験を活かせる職種
プロジェクト開発
再生可能エネルギー案件を初期段階から形にする職種です。
主な業務
- 開発候補地の発掘
- 土地権利の確保
- 許認可
- 系統接続
- 地域対応
- 事業計画
- パートナーとの交渉
- 契約
- 社内承認
- 建設開始までの進捗管理
評価される経験
- 新規事業の立ち上げ
- 法人営業
- パートナー開拓
- 自治体や関係者との交渉
- 契約交渉
- プロジェクト管理
- 社内調整
- 海外事業
金融知識だけでなく、不確実な状況で課題を整理し、関係者を動かす力が重要です。
海外事業開発
海外の再生可能エネルギー案件を発掘・推進します。
主な業務
- 市場調査
- 現地パートナーの選定
- 政府機関との協議
- 入札
- 契約交渉
- 投資採算分析
- 資金調達
- 現地法人管理
- 本社との調整
海外駐在、海外金融機関との連携、クロスボーダー案件などの経験を活かせます。
パートナーシップ・アライアンス
再生可能エネルギー事業では、一社だけで案件を進めることが難しい場合があります。
主な業務
- 共同事業者の選定
- 出資比率の調整
- 役割分担
- 株主間契約
- 意思決定方法の設計
- 長期的な関係管理
法人間交渉、提携、新規業務の立ち上げ経験が評価されます。
再生可能エネルギー業界で必要な知識
電力事業の基本構造
最低限、次の関係者と役割を理解します。
- 発電事業者
- 送配電事業者
- 小売電気事業者
- 需要家
- アグリゲーター
- 電力市場
- 行政機関
- 土地所有者
- 地域住民
開発プロセス
再生可能エネルギー案件は、単に発電設備を建設するだけではありません。
- 候補地発掘
- 土地確保
- 事業性調査
- 系統接続
- 許認可
- 環境調査
- 地域対応
- 契約
- 資金調達
- 建設
- 運営
各工程の順序と相互関係を理解してください。
発電量と収益
事業収益は、発電量、販売価格、稼働率、運営費などによって変わります。
- 発電量予測
- 設備利用率
- 劣化
- 出力抑制
- 停止時間
- 販売単価
- 運営保守費
- 修繕費
財務モデルの前提条件と事業実態を結び付けて考える必要があります。
契約
主な契約には次のようなものがあります。
- 土地契約
- 売電契約
- 建設契約
- 運営保守契約
- 設備供給契約
- 株主間契約
- 融資契約
- 保険契約
契約によって、各リスクを誰が負担するかが決まります。
許認可・地域対応
再生可能エネルギー事業では、法的な許認可だけでなく、地域との信頼関係も重要です。
- 自治体
- 住民
- 漁業関係者
- 土地所有者
- 地域企業
- 行政機関
金融経験者が事業会社へ移る場合は、数値や契約だけでなく、地域や現場の論点を理解する必要があります。
金融機関と事業会社の違い
金融機関の立場
金融機関は、融資した元本と利息を回収できるかを重視します。
主な視点
- 返済可能性
- 下振れリスク
- 契約上の保護
- 担保・保証
- スポンサー支援
- 財務制限条項
- モニタリング
事業会社の立場
事業会社は、案件を成立させ、長期的に収益を生み出すことを重視します。
主な視点
- 案件の発掘
- 競争優位性
- 許認可
- 地域対応
- 技術
- 建設
- 売上
- 利益
- 投資収益
- 長期運営
金融機関では、問題を発見して条件を付けることが重要です。
事業会社では、問題を解決し、案件を前へ進めることが求められます。
再生可能エネルギー業界へ転職する7つの準備
1.希望する電源を決める
太陽光、風力、蓄電池、バイオマスなどでは、事業構造や必要な知識が異なります。
すべてに詳しくなる必要はありませんが、関心のある分野を絞ることで、転職理由を説明しやすくなります。
2.希望する工程を決める
再生可能エネルギー事業は、次の工程に分かれます。
- 開発
- 投資
- 資金調達
- 建設
- 運営
- 売却
自分の経験がどの工程に近いかを整理してください。
3.金融経験を事業の言葉へ変換する
- 融資審査:事業性評価・投資審査
- 稟議書:投資委員会・経営会議資料
- 与信管理:投資後モニタリング
- 融資条件:資金調達条件
- 法人営業:パートナー開拓
- 審査部門との調整:社内意思決定の推進
- プロジェクトファイナンス:事業・契約・金融の統合分析
4.案件を棚卸しする
次の内容を整理します。
- 対象業界
- 案件規模
- 国・地域
- 自分の役割
- 分析した内容
- 交渉した相手
- 主なリスク
- 提案した対応策
- 最終的な成果
5.業界知識を補う
転職前に、次の内容を学びます。
- 電力事業の仕組み
- 開発プロセス
- 系統接続
- 許認可
- 売電契約
- 発電量
- 建設
- 運営保守
- 投資採算
- 電力市場
すべてを専門家レベルで理解する必要はありません。
応募職種に関係する内容から優先してください。
6.事業会社向けの職務経歴書を作る
金融機関の業務名だけではなく、次の内容を書きます。
- 課題
- 自分の役割
- 行動
- 関係者
- 成果
- 転職先での再現性
法人融資経験の書き方は、法人融資経験を職務経歴書で伝える方法|実績の書き方と例文で解説しています。
7.複数の転職経路を使う
再生可能エネルギー関連の専門求人は、一般公開されない場合があります。
- ハイクラス転職サービス
- 金融専門エージェント
- エネルギー業界に強いエージェント
- スカウト型サービス
- 企業への直接応募
- 元取引先や業界関係者からの紹介
複数の経路から情報を集めてください。
職務経歴書の記載例
プロジェクトファイナンス経験者
金融機関において、国内外のインフラ・エネルギー案件に対するプロジェクトファイナンス業務を担当。事業計画、財務モデル、契約構造、主要リスクを分析し、融資条件の検討、社内審査、契約交渉、実行後のモニタリングに従事した。スポンサー、金融機関、外部アドバイザーなど、複数の関係者を調整し、案件の意思決定を推進した。
法人融資経験者
法人顧客の財務分析、資金需要の把握、融資提案、社内審査対応を一貫して担当。設備投資計画と将来キャッシュフローを分析し、顧客の事業計画に適した資金調達条件を提案した。経営者との折衝、審査部門との調整、案件進捗管理を強みとする。
事業開発経験者
新規事業の市場調査、パートナー企業の開拓、事業計画の策定、契約交渉、社内承認、事業開始後の管理まで担当。社内外の関係者の役割と論点を整理し、新しい業務や提携関係の立ち上げを推進した。
自己PRの例文
私の強みは、財務、契約、事業の論点を整理し、複数の関係者を調整して案件を前へ進める力です。
金融機関では、インフラ・エネルギー案件の事業計画、キャッシュフロー、契約構造、主要リスクを分析し、スポンサー、審査部門、法務部門、外部専門家との協議を進めてきました。
案件にリスクがある場合も、単に否定するのではなく、条件変更や追加対応によって実行可能な方法を検討してきました。
この経験を、再生可能エネルギー事業会社における事業開発、資金調達、投資審査、プロジェクト管理に活かしたいと考えています。
面接で聞かれやすい質問
なぜ再生可能エネルギー業界へ転職したいのですか
社会的意義だけでなく、自分の経験との接点を説明します。
回答例
金融機関でインフラ・エネルギー案件の財務分析、リスク評価、資金調達に関わってきました。その経験を通じて、融資者として支援するだけでなく、事業者側で案件の発掘、投資判断、契約、建設、運営まで継続的に関わりたいと考えるようになりました。これまで培った金融と案件推進の経験を活かし、再生可能エネルギー事業の実現に貢献したいと考えています。
金融経験を事業会社でどう活かせますか
回答例
融資業務では、財務モデル、事業計画、契約条件、主要リスクを分析し、金融機関として融資可能な条件を整理してきました。事業会社では、この経験を資金調達、投資審査、金融機関との交渉、社内意思決定に活かせると考えています。また、金融だけでなく、開発、許認可、建設、運営の知識も補い、案件全体を前へ進められる人材を目指しています。
再エネ業界が未経験でも大丈夫ですか
未経験であることを否定せず、共通経験と学習内容を示します。
回答例
再生可能エネルギー事業会社での勤務経験はありませんが、プロジェクトファイナンスを通じて、長期キャッシュフロー、契約構造、建設・運営リスクを分析してきました。現在は、系統接続、許認可、売電契約、発電量評価など、事業者側で必要となる知識を学んでいます。金融経験を土台に、事業開発の実務を早期に習得したいと考えています。
事業開発で最も重要な力は何だと考えますか
回答例
不確実な状況でも、課題を分解し、必要な関係者を特定して、次の行動を決める力だと考えています。再生可能エネルギー事業では、土地、許認可、系統、契約、資金調達など複数の論点が連動するため、全体像を理解しながら優先順位を付けて進める必要があると考えています。
再生可能エネルギー業界への転職で失敗する原因
社会的意義だけを志望理由にする
脱炭素への関心だけでは、応募企業で何を担当できるかが伝わりません。
自分の経験と職務内容を結び付けてください。
金融経験だけで通用すると考える
再生可能エネルギー事業では、土地、許認可、技術、建設、地域対応などの論点があります。
金融以外の知識を学ぶ姿勢が必要です。
電源や職種を絞っていない
「再エネなら何でもよい」では、転職理由が弱くなります。
関心のある電源と職種を整理してください。
案件規模だけを強調する
大型案件に参加した事実より、自分の役割と成果が重要です。
財務モデルの能力を誇張する
モデルの閲覧、分析、修正、構築は異なります。
実際にできる範囲を正確に説明してください。
事業開発を企画業務だと考える
事業開発では、資料作成だけでなく、土地、地域、許認可、契約、社内調整などの実務を担当する場合があります。
企業名だけで転職先を選ぶ
同じ再生可能エネルギー会社でも、開発、保有運営、設備販売、案件売却など事業モデルが異なります。
転職先を比較する7つの基準
- どの電源を扱っているか
- 開発・投資・運営のどこを担当できるか
- 国内案件と海外案件の比率
- 自社保有と案件売却の比率
- 一人当たりの担当範囲
- 投資判断や経営層との距離
- 3年後に得られる専門性
年収だけでなく、担当できる工程と責任範囲を確認してください。
年代別の転職戦略
20代
ポテンシャルと基礎能力が評価されやすく、未経験職種へ移りやすい年代です。
業界知識を学び、事業への関心を具体的に説明してください。
30代
即戦力性と、将来的なリーダー候補としての可能性が見られます。
金融、事業開発、海外業務などの経験を、再生可能エネルギー案件の工程へ当てはめて説明してください。
40代
専門性、管理職経験、大型案件、海外経験、組織運営など、入社後すぐに任せられる役割が重視されます。
管理職の転職については、管理職の転職は難しい?30代・40代が失敗しない進め方も参考にしてください。
再生可能エネルギー業界への転職に関するよくある質問
再生可能エネルギー業界は未経験でも転職できますか
可能性はあります。
金融、建設、事業開発、法人営業、海外業務など、関連する経験を持つ人材が転職する場合があります。
銀行員は再生可能エネルギー会社へ転職できますか
法人融資、プロジェクトファイナンス、財務分析、審査、資金調達の経験を活かせる可能性があります。
ただし、事業者側の開発・建設・運営知識を補う必要があります。
プロジェクトファイナンス経験は必須ですか
すべての職種で必須ではありません。
資金調達や投資審査では評価されやすい一方、事業開発では法人営業や関係者調整の経験も重要です。
英語力は必要ですか
国内案件では必須でない場合もあります。
海外案件、洋上風力、外資系企業、海外メーカーとの交渉では英語力が求められる可能性があります。
技術知識がなくても転職できますか
金融、投資、事業開発などでは、技術者と同じ専門知識が必須とは限りません。
ただし、主要な技術リスクや設備の特徴を理解する必要があります。
再エネ業界で評価される資格はありますか
職種によって異なります。
会計、金融、英語、電気、施工、環境などの資格が役立つ場合がありますが、実務経験との組み合わせが重要です。
再エネ業界は年収が高いですか
企業、職種、役職、専門性によって異なります。
金融、投資、プロジェクトマネジメントなどの専門職では、高い年収が提示される場合もありますが、条件を総合的に確認してください。
事業開発とプロジェクトファイナンスの違いは何ですか
事業開発は、案件の発掘から土地、許認可、契約、社内承認などを進めます。両職務をまたぐ転職では、貸し手側の経験をインフラ事業会社の案件発掘・許認可・建設へつなげる方法も確認し、資金調達以外に補う実務を明確にします。
プロジェクトファイナンスは、事業のキャッシュフローを基に資金調達を組成します。
企業によっては、同じ担当者が両方に関わる場合があります。
金融機関から事業会社へ移ると年収は下がりますか
転職先、職位、現在の年収によって異なります。
基本給、賞与、退職金、福利厚生、海外手当、将来の昇格機会を含めて比較してください。
まとめ|金融・事業開発経験を再エネ事業の実行力へ変える
再生可能エネルギー業界には、次のような転職先があります。
- 再生可能エネルギー専業事業会社
- 電力・ガス会社
- 総合商社・事業投資会社
- インフラファンド
- 金融機関
- 建設会社・EPC事業者
- メーカー・技術会社
- コンサルティング・FAS
金融経験者は、次の職種で経験を活かせる可能性があります。
- 資金調達
- プロジェクトファイナンス
- 投資審査
- M&A
- 経営企画
- アセットマネジメント
事業開発経験者は、次の職種が候補です。
- プロジェクト開発
- 海外事業開発
- パートナーシップ
- アライアンス
- 新規事業
- プロジェクト管理
転職を成功させるためには、次の内容を整理してください。
- 希望する電源と職種を決める
- 再生可能エネルギー事業の工程を理解する
- 自分の経験を各工程へ当てはめる
- 金融以外の業界知識を補う
- 担当案件と自分の役割を整理する
- 転職先での再現性を説明する
- 年収だけでなく責任範囲と将来性を比較する
金融経験者の強みは、数字を分析できることだけではありません。
複雑な事業を構造的に理解し、リスクを整理し、多くの関係者を調整しながら、資金調達や意思決定を進められることです。
事業開発経験者の強みは、不確実な状況でも必要な条件を整え、案件を実現へ近づけられることです。
これらの経験を、再生可能エネルギー事業の開発、投資、資金調達、運営へ結び付けて伝えてください。
