信用金庫から初めて転職する方は、面接で「なぜ地域金融を離れるのか」「地域密着の経験をどう活かすのか」「本人が担った実績は何か」を確認されます。転職理由と渉外・融資・経営支援の経験を、応募先の役割へつなげることが重要です。
筆者は金融機関で15年間勤務し、法人取引、海外業務、プロジェクトファイナンス案件の推進、提携交渉、関係者調整に携わりました。その後、事業会社へ転職し、現在は海外事業や事業開発などに携わっています。業務を通じて多くの信用金庫職員と接する中で、法人営業、融資、経営支援、本部業務で培われる経験には、整理の仕方によって事業会社でも活かせる部分があると感じてきました。転職面接では、こうした経験を仕事内容の説明だけで終わらせず、応募先で再現できる能力として伝えることが重要です。
面接回答は「結論・背景・行動・結果・再現性」の5段階で組み立てます。先に渉外・融資・経営支援経験を職務経歴書へ整理する6要素で代表経験を整理しておくと、書類と面接の説明をそろえやすくなります。面接では、その事実を質問に応じて説明し、深掘りされたときにも本人の役割と再現性を具体化できる状態を目指します。
信用金庫の転職面接では5つの項目を確認される
採用側は、応募先の業務を担えるかを確認します。転職理由、担当経験、本人の役割、入社後の再現性を一貫させることが重要です。
| 確認項目 | 採用側が知りたいこと | 準備する事実 | 回答時の注意 |
|---|---|---|---|
| 転職理由 | なぜ今、環境を変えるのか | 現職で得た経験、次に担いたい責任、転職が必要な理由 | 不満だけで終えない |
| 応募理由 | なぜその会社・職種なのか | 求人の役割、事業、顧客、成果指標との接点 | 企業名を替えただけの回答にしない |
| 担当経験 | どの課題をどう扱ったか | 対象、課題、役割、判断、行動、結果 | 業務名や商品名だけを並べない |
| 本人の役割 | 組織の成果と本人の貢献は何か | 上司、本部、審査、顧客、専門家との分担 | 本人の貢献と最終決裁・顧客側の成果を分ける |
| 再現性 | 転職先で何を任せられるか | 共通する工程、不足経験、補う順序 | これまで担った工程と、新たに担う工程を分ける |
転職先をまだ絞れていない場合は、信用金庫の法人営業・融資・本部経験から転職先を選ぶ全体像で候補を整理し、応募先の役割を特定してから面接準備へ進みます。
回答は結論・背景・行動・結果・再現性の5段階で組み立てる
最初に結論を述べ、根拠となる事実を背景・行動・結果へ分け、最後に応募先での再現性を示します。回答は質問に応じて60秒から2分程度に調整してください。
| 段階 | 答える内容 | 質問例 | 確認点 |
|---|---|---|---|
| 結論 | 質問への直接の答え | 転職理由は何ですか | 最初の1〜2文で答えているか |
| 背景 | 担当先、課題、制約 | どのような状況でしたか | 顧客を特定する情報を出していないか |
| 行動 | 本人が判断・調整・実行したこと | あなたは何をしましたか | 組織の行動と分けているか |
| 結果 | 開示可能な数字または到達状態 | 結果はどうなりましたか | 顧客や決裁者の成果を含めていないか |
| 再現性 | 応募先で活かす工程と不足 | 当社でどう活かしますか | 求人の役割に接続しているか |
結論は質問の言葉に合わせる
「なぜ辞めるのですか」には、現職で得た経験と次に担いたい責任を答えます。「強みは何ですか」には、強みを一つ示して代表経験へ進みます。質問の焦点に合わせて回答の入口を変えてください。
結果の後に応募先での使い方を示す
応募先の顧客、商品、意思決定、入社後の役割を踏まえ、再現できる工程を示します。不足経験は、近い経験と補う順序を説明します。
転職理由は現職の不満ではなく次に担いたい責任で説明する
転職理由では、信用金庫で得た経験と、今後変えたい条件・担いたい責任を分けて説明します。年収、転勤、評価等が実際のきっかけであれば無理に隠す必要はありませんが、それだけで終わらせず、次にどのような仕事・役割を求めているのか、なぜ応募先がその希望につながるのかまで整理します。
| 整理項目 | 答える内容 | 確認する質問 | 避ける答え |
|---|---|---|---|
| 現職で得た経験 | 経営者対応、融資、財務分析、調整等 | 何を身につけたか | 信用金庫では成長できない |
| 変えたい範囲 | 顧客、商品、責任、事業への関与 | 現職内の異動では実現できないか | 環境を変えたいだけ |
| 次に担いたい責任 | 売上、事業、財務、企画、実行等 | 応募先で何を任されたいか | 何でも挑戦したい |
| 応募先との一致 | 事業、役割、顧客、成果指標 | なぜ他社ではなく応募先か | 知名度や待遇だけ |
| 不足への対応 | 未経験工程と学習・支援の順序 | 入社後に何を補うか | 経験がないことを隠す |
辞める理由と応募理由を一本につなげる
転職理由と応募理由が別々だと、条件が良ければどこでもよいと受け取られる可能性があります。「信用金庫で経営者の資金・事業課題を整理した経験を基礎に、次は自社サービスの提案から導入後の成果まで責任を持ちたい」のように、過去・転職理由・応募先の役割をつなげます。
残る選択肢も比較したうえで説明する
現職内の異動や担当変更で実現できる可能性も検討します。信用金庫に残る・異動する・転職する選択肢の比較を行い、転職しなければ実現しにくい責任を明確にすると、理由が条件面だけに偏りません。
転職理由を応募先ごとに変えすぎない
転職理由の核は、応募先が変わっても基本的に同じです。まず「転職理由」「職種志望理由」「会社志望理由」を分けます。会社ごとに転職理由まで大きく変えると、職務経歴書との一貫性が崩れます。変えるのは、応募企業の事業・顧客との接点や、応募職種で実現したい内容です。転職のきっかけと今後の希望を共通の核にし、事実と異なる理由を作らず、応募先との接点だけを具体化してください。選考を通じて回答の軸を一つに保ってください。
「なぜ事業会社なのか」への答え方
金融機関は顧客企業を支援する側であり、事業会社では自社の商品・サービスや事業成果に責任を持つ場合があります。「金融以外も経験したい」だけでは、志望理由として十分に伝わりません。信用金庫で顧客課題に向き合う中で何を感じ、次はどの責任を自分で持ちたいのか、応募先で担当したい工程はどこかをつなげます。支援経験を事業側でどう再現し、どの責任を新たに担うのかまで説明してください。両者の違いを具体的に示します。
地域密着経験は地域名ではなく行動へ分解する
「地域密着で信頼関係を築いた」だけでは本人の行動が分かりません。継続接点を課題把握、提案、関係者調整、実行後フォローへ分け、組織の地域ネットワークと本人の能力を区別します。
| 地域密着の表現 | 具体化する行動 | 面接で示す事実 | 応募先での再現 |
|---|---|---|---|
| 経営者との信頼関係 | 訪問前の準備、質問、継続確認 | 何を把握し、提案をどう変えたか | 顧客理解、アカウント管理 |
| 地域情報に詳しい | 商流、業界、関係者の整理 | どの情報を判断に使ったか | 市場理解、顧客セグメント |
| 長期支援 | 実行後の変化確認、追加対応 | いつ何を見直したか | 導入後支援、継続提案 |
| 外部連携 | 目的、共有情報、役割分担 | 誰と何を前へ進めたか | 提携、専門家管理 |
| 地域貢献 | 顧客課題と事業上の成果 | 本人の担当と到達状態 | 事業成果と社会価値の両立 |
顧客基盤と本人の能力を分ける
既存の取引関係、信用金庫の看板、地域ネットワーク、本部の専門部署は、そのまま転職先へ持ち運べません。面談準備、質問、財務と事業の整理、選択肢の比較、説明、社内外調整、進捗管理は本人の能力として説明できます。組織の資源と個人が持ち運べる能力を分ける考え方も確認してください。
地域貢献を否定せず事業責任へつなげる
事業会社への転職を理由に、地域密着を過去のものとして否定する必要はありません。顧客の継続的な課題を理解した経験を、応募先では顧客価値、売上、受注・導入、継続取引等の責任へどうつなげるかを説明します。
渉外・法人営業経験は課題把握から実行後フォローまで説明する
渉外経験は訪問件数や融資実績だけでなく、経営者や財務担当者との対話から課題を把握し、提案を組み立て、社内外を調整し、実行後を確認した流れで示します。
よく聞かれる質問
- 担当先の特徴と、最初に把握した課題は何ですか
- 提案を作る前に、どの情報を確認しましたか
- 顧客の要望と組織の判断が異なったとき、どう調整しましたか
- 提案後に、顧客の反応や利用状況をどう確認しましたか
- その経験を応募先の営業でどう活かしますか
回答例の骨子
たとえば、「担当企業との継続面談から、事業計画と資金繰りの変化を確認しました。資金需要の背景と実行時期を整理し、社内の審査・商品部門と論点をすり合わせ、顧客が複数案を比較できる状態にしました。応募先では、この課題把握と部門横断調整を法人営業の提案設計へ活かします」という構造です。実際の面接では、自分が担当した内容と開示可能な結果に沿って説明します。
事業会社の法人営業を希望する方は、信用金庫の法人営業経験を事業会社営業へつなげる判断軸で、自社商品の収益、新規開拓、受注後の責任等の不足工程も整理します。
融資・審査経験は判断材料と本人の役割を分けて話す
融資・審査の回答では、金額や案件数より、資金使途、返済原資、財務、事業性、条件案、照会、期中管理のうち何を担ったかを示します。最終決裁は組織の判断であり、担当者が整理した情報や提案と分けます。
| 深掘り質問 | 回答に含める事実 | 本人と分ける判断 | 応募先での再現 |
|---|---|---|---|
| 何を見て判断しましたか | 資金使途、返済原資、財務、商流、制約 | 決裁者の最終承認 | 情報整理、選択肢比較 |
| 難しい案件をどう進めましたか | 不足情報、照会、条件案、関係者 | 顧客・上司・審査の決定 | 論点管理、合意形成 |
| 結果はどうなりましたか | 承認、実行、継続確認等の到達状態 | 顧客の事業成果 | 進捗管理、リスク確認 |
| 失敗や反省はありますか | 見落とし、再確認、改善した手順 | 他者への責任転嫁 | 再発防止、学習 |
財務・経営企画を希望する場合は、融資・審査経験と事業会社の財務・経営企画責任の違いを確認し、貸し手側の評価と事業会社側の資金実行・予算・経営報告を混同しないでください。
経営支援経験は専門家と本人の担当を分ける
創業、販路開拓、経営改善、事業承継等の支援では、経営者、信用金庫、本部、外部専門家、行政、取引候補先の役割を分けます。紹介しただけなのか、課題整理、選択肢比較、情報共有、進捗確認まで担ったのかを説明してください。
成果は顧客の結果ではなく本人の到達状態で示す
採択、成約、売上改善、承継完了等を本人の成果として扱えるとは限りません。必要資料を整理した、経営者が選択肢を比較できる状態にした、専門家との相談事項を明確にした、次の行動と期限を合意したなど、本人の行動と結び付く到達状態を示します。
M&A・事業承継支援は実行工程と分ける
信用金庫の経営者対応・財務分析をM&A・事業承継支援へつなげる整理を参照し、初期相談や専門家連携と、価値評価、候補探索、交渉、契約、実行等の工程を区別してください。
本部企画・業務改善経験は導入と定着まで具体化する
本部経験では、企画書を作成した事実だけでなく、現状分析、関係部署との調整、意思決定支援、導入、営業店への説明、運用後の改善のうち担当した範囲を話します。
企画の目的と利用者を最初に示す
「何のために、誰の業務を変える企画だったか」を先に示します。続いて、収集した情報、比較した案、反対意見や制約、承認後の実行、定着確認を説明すると、事業会社の企画・DX・管理部門でも再現性を判断しやすくなります。
本部企画・業務改善経験を企画・DX・管理部門へつなげる観点を確認し、未経験の予算責任やシステム開発責任を加えないでください。
事業開発を志望するときは支援と事業責任を区別する
信用金庫の中小企業支援と事業開発には、課題把握、仮説、外部連携、関係者調整等の共通点があります。一方、事業会社では自社の予算、KPI、売上、費用、契約、実行体制を担う可能性があります。共通点だけでなく、新たに担う責任を説明してください。
支援側と事業当事者の違いを答える
「顧客の選択肢を整理した経験は活かせる一方、自社事業の予算・KPI・収益責任は新たに担う領域です」と整理します。中小企業支援経験を事業開発へ言い換える観点と、事業開発求人のKPI・予算・権限を確認する項目を参照すると、信用金庫で培った経験と、応募先で新たに求められる責任を分けて整理できます。
未経験工程を補う順序を示す
未経験を「勉強します」だけで終えず、入社前に確認する知識、入社後90日で把握する顧客・収益・意思決定、上司や関係部署から支援を受ける事項、半年後に担いたい工程へ分けます。
実績は数字・到達状態・改善過程の3つで示す
面接で実績を聞かれても、根拠のない融資額、顧客数、成約件数、表彰を加えないことが重要です。開示できる数字があれば使い、難しい場合は到達状態や改善過程で具体化します。
| 示し方 | 使える事実 | 回答例の骨子 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 数字 | 担当件数、比率、期間、改善幅等 | 開示可能な範囲で規模や変化を示す | 顧客を特定できる組み合わせを避ける |
| 到達状態 | 承認、実行、比較可能、継続確認等 | 本人の行動で何が前進したかを示す | 顧客や決裁者の成果と分ける |
| 改善過程 | 原因分析、手順変更、再確認等 | 失敗から何を変えたかを示す | 成功談へ作り替えない |
表彰がなくても仕事の進め方は説明できる
表彰や上位実績がない場合も、課題把握、判断材料、提案、調整、実行後フォローを具体化できます。成果の大きさだけでなく、再現できる手順と担当範囲を示してください。
失敗経験は責任転嫁せず改善まで話す
不足情報、認識差、日程遅延、提案不成立等の事実を一般化し、自分が見落とした点、追加確認した内容、次から変えた準備や手順を説明します。顧客、上司、審査部門のせいにしないことが重要です。
30代・40代は担当力・専門性・管理範囲を分けて説明する
30代・40代では、個人で担当した経験だけでなく、後輩支援、案件管理、専門分野、部門間調整等を確認される場合があります。ただし、役職、部下人数、決裁権限、評価実績は実際の事実に限定します。
| 確認項目 | 担当者として示すこと | 管理・専門職として示すこと | 確認すべき境界 |
|---|---|---|---|
| 案件 | 本人の判断と行動 | 案件配分、品質確認、難案件支援 | 最終決裁権の有無 |
| 人材 | 後輩への情報共有 | 育成、評価、配置への関与 | 正式な管理職経験か |
| 専門性 | 財務、業界、商品、支援等 | 組織内での相談・標準化への貢献 | 資格と実務の違い |
| 改善 | 自分の手順改善 | 部署横断の制度・運用改善 | 企画と実行の担当範囲 |
役職より任された範囲を説明する
同じ役職名でも、担当者、リーダー、管理職、専門職の範囲は組織ごとに異なります。自分が判断できた範囲、上司への提案、後輩支援、案件品質の確認、正式な評価権限を分けます。
年齢を理由に経験を誇張しない
30代・40代だから管理職経験が必要とは限りません。求人が求めるのが専門性、顧客対応、管理、事業責任のどれかを確認し、該当する事実を前へ出します。条件確認は、基本給・賞与・役職・入社条件を分ける確認順も参照してください。
守秘義務に配慮して具体性を残す
企業名、代表者名、所在地、非公開の財務情報、融資条件、審査情報、個人保証、事業承継、内部格付、未公表の取引等は話しません。一方、情報をすべて抽象化すると経験が伝わらないため、業種・規模の大まかな区分、課題の性質、本人の役割、行動、到達状態を残します。
| 情報 | 面接で避ける内容 | 一般化の仕方 | 残す要素 |
|---|---|---|---|
| 顧客 | 企業名、代表者、狭い地域 | 地域を広げ、業種・規模を概括 | 課題と担当関係 |
| 財務 | 売上、債務、資金繰りの具体値 | 具体値を伏せ、増減方向や大まかな幅で説明 | 確認した論点 |
| 条件 | 金利、担保、保証、特約 | 条件の目的や種類で説明 | 本人が整理した選択肢 |
| 承継・再生 | 家族関係、後継者、私生活 | 関係者と時間軸へ一般化 | 配慮した確認順序 |
| 内部情報 | 格付、審査コメント、内部基準 | 一般化したリスクや判断項目で説明 | 行動と調整 |
伏せる理由を短く説明する
具体名や数値を聞かれた場合は、「守秘義務のため企業を特定できる情報は控えますが、課題と担当した工程は説明できます」と伝えます。曖昧に逃げるのではなく、開示できる範囲で具体性を補います。
公正な採用選考に関わる質問への対応
厚生労働省は、採用選考を応募者本人の適性・能力に基づいて行い、家族や生活環境等の適性・能力と関係のない事項を把握しないことを基本としています。回答に迷う質問を受けた場合は、質問の意図を確認し、応募職務に関する経験・能力の範囲で回答します。個別の法的判断が必要な場合は、公的な相談窓口や専門家へ確認してください。
自己PRは抽象的な強みで終わらせない
「コミュニケーション力があります」「課題解決力があります」「信頼関係構築が得意です」「調整力があります」だけでは、強みの再現性が分かりにくいです。どのような状況で、何に着目し、どう判断し、誰と調整し、何を前へ進めたかを順に示します。最後に、その進め方を応募先の顧客対応や意思決定でどう活かすかを加えてください。根拠のない成果や数値は補わず、実際に担当した工程を根拠にします。強みを形容詞だけで終わらせません。
面接前に代表経験3件を回答メモへ整理する
代表経験は、法人営業・融資・経営支援・本部業務等から応募先に近い3件を選びます。各経験を5段階で整理し、60秒版と2分版を作ります。職務経歴書と役割・結果を一致させてください。
| 代表経験 | 結論 | 背景・課題 | 本人の行動 | 結果・再現性 |
|---|---|---|---|---|
| 経験1:応募職種に最も近い案件 | 強みを一言で示す | 対象、状況、制約 | 判断、提案、調整 | 到達状態と応募先での活用 |
| 経験2:難所を越えた案件 | 難しかった点を示す | 対立、不足情報、期限等 | 論点整理、関係者調整 | 前進した状態と学び |
| 経験3:改善・失敗から学んだ案件 | 改善したことを示す | 見落とし、遅延、未達等 | 原因分析、手順変更 | 再発防止と現在の行動 |
職務経歴書と回答の整合を確認するときは、金融機関経験を応募職種別の職務経歴書へ整理する例文を参照してください。事業開発職では、仮説・提携・実行・成果を職務経歴書へ整理する構造と面接回答を合わせます。
事業開発職へ応募する場合は、事業開発職の面接で問われる市場・顧客・提携・実行を確認し、信用金庫固有の転職理由に加えて、事業開発職で求められる回答の軸も準備してください。
逆質問で応募先の役割・評価・支援体制を確認する
逆質問は意欲を示すだけでなく、入社後の役割を誤認しないために使います。求人票で不明な点を、仕事内容、顧客、意思決定、成果指標、入社後の支援へ分けて確認します。
| 確認領域 | 逆質問例 | 判断すること |
|---|---|---|
| 役割 | 入社後6か月間に担当する主な業務の流れを教えてください | 担当範囲と優先順位 |
| 顧客・課題 | 主な顧客と、解決を期待される課題は何ですか | 経験との一致 |
| 意思決定 | 担当者が提案できる範囲と、承認が必要な事項は何ですか | 裁量と組織調整 |
| 成果指標 | 入社後90日と1年後に期待される状態は何ですか | 評価と実行資源 |
| 支援体制 | 未経験領域を補う研修や引継ぎはありますか | 不足経験への支援 |
| 条件 | 役職・等級・報酬・勤務地はどの文書で確認できますか | 条件の確定方法 |
既に説明された内容は確認の深さを変える
面接官が役割を説明した後に同じ質問を繰り返すのではなく、「先ほどの説明では〇〇が中心と理解しました。担当者が判断できる範囲はどこまでですか」のように、理解を示して深掘りします。
面接前チェックリストで回答の一貫性を確認する
| 確認項目 | 確認内容 | 判定 |
|---|---|---|
| 転職理由 | 現職で得た経験と次に担いたい責任がつながる | □ |
| 応募理由 | 事業・職種・役割を選ぶ理由が具体的 | □ |
| 代表経験 | 3件を5段階で60秒・2分に整理した | □ |
| 本人の役割 | 組織・顧客・専門家の判断と分けた | □ |
| 実績 | 開示可能な数字・到達状態・改善過程を使う | □ |
| 地域密着 | 地域名ではなく行動へ分解した | □ |
| 不足経験 | 新たに担う責任と補う順序を説明できる | □ |
| 守秘義務 | 特定情報を伏せ、判断工程を残した | □ |
| 逆質問 | 役割・評価・支援体制を確認できる | □ |
| 書類との一致 | 役割・行動・結果が職務経歴書と一致する | □ |
よくある質問
なぜ信用金庫を辞めるのかと聞かれたらどう答えますか
信用金庫で得た経験を最初に示し、次に担いたい顧客課題や責任、現職内の異動では実現しにくい理由、応募先との一致を説明します。人間関係、評価、転勤等の不満だけで終えず、仕事内容の移行を中心にしてください。
「ノルマが嫌だった」は言わない方がいいですか
事実と異なる理由へ変える必要はありません。ただし、営業目標への不満だけで終えると、次の仕事内容との接続が弱くなります。何に負担や違和感を感じたのかを分け、希望する顧客対応、役割、評価軸へつなげます。信用金庫全体を否定する言い方は避けてください。
年収を上げたいことは面接で伝えてよいですか
条件改善は転職理由の一つになり得ます。ただし、年収だけを会社・職種の選択理由にせず、希望年収と応募先で担う役割を分けて説明します。転職による年収上昇が保証されるわけではないため、仕事内容、責任、報酬構成もあわせて確認してください。
融資実績の金額は伝えた方がよいですか
開示可能で、担当範囲を理解する材料になる場合は使えます。ただし、案件金額だけでは本人の役割は伝わりません。資金使途、分析、条件整理、稟議、調整、実行、モニタリング等の担当工程も説明し、非公開情報や顧客を特定できる情報は出さないでください。
地域密着を強みとしてどう説明しますか
「地域密着」という言葉の後に、経営者との面談準備、財務と事業の課題把握、提案の比較、社内外調整、実行後フォローを加えます。信用金庫の顧客基盤と本人の行動を分け、応募先の顧客対応で再現する工程を示してください。
営業成績が高くない場合はどう答えますか
根拠のない数字や順位を補わず、課題把握、提案、調整、実行後フォローの過程を具体化します。成果は承認、実行、比較可能、継続確認等の到達状態でも示せます。改善した手順や学びも回答材料です。
表彰歴がなくても問題ありませんか
表彰の有無だけで面接の評価が決まるとは限りません。応募先が求める役割に近い経験を選び、本人の判断・行動・結果を説明します。表彰がないことを補うために、根拠のない件数や成果を加える必要はありません。
30代・40代は管理職経験を強調すべきですか
求人が管理職、専門職、担当者のどれを求めるかによります。正式な管理職経験がなければ、後輩支援や案件調整を管理権限として扱いません。実際に任された範囲と応募先が期待する範囲を比較します。
未経験職種への志望理由はどう答えますか
共通する工程、未経験となる責任、応募先を選ぶ理由、補う順序を示します。「興味がある」だけではなく、信用金庫での具体的な行動がどの業務へつながるかを説明してください。
面接で信用金庫の内部情報をどこまで話せますか
企業名、顧客名、非公開の財務・取引・審査・条件・個人情報は話しません。守秘義務に配慮する旨を伝え、業種・規模の概括、課題、本人の役割、判断、行動、到達状態で具体性を残します。
転職理由と志望動機は同じですか
異なります。転職理由は現職から役割を変える必要性、志望動機はその会社・職種を選ぶ理由です。ただし、両者は現職で得た経験と次に担いたい責任を通じて一貫させます。
まとめ|転職理由・経験・実績・再現性を一本につなげる
転職面接では、転職理由、地域密着経験、実績、本人の役割、応募先での再現性を5段階でつなげ、職務経歴書と同じ事実を使います。
組織の地域ネットワークと本人が持ち運べる課題把握・提案・調整等を分け、実績は開示可能な数字、到達状態、改善過程で示します。
最後に代表経験3件を60秒版と2分版にし、転職理由、守秘義務、不足経験、逆質問との整合を確認します。これにより、応募先で再現できる能力を具体的に伝えられます。
面接準備と並行して相談先を選ぶ場合は、面接準備と並行して転職サービスを選ぶ判断軸を確認し、希望職種と担当してほしい支援を先に整理してください。
